禁煙しようと決心してもなかなかタバコを止めることが出来ないのは、本人の意思が弱いからではなくニコチン依存に原因があります。ニコチン依存症は治療が必要ですが、適切な治療を行えば必ず治る病気です。禁煙外来はたばこをやめたい人向けの専門外来で、一定の基準による条件を満たす喫煙者には健康保険が適応されます。
脳にはタバコの成分であるニコチンが結合するニコチン受容体があります。タバコを吸うことによりニコチンが受容体に結合しドパミンが放出され快感を感じるのです。しかし、この結合力は非常に弱い為、すぐニコチンが外れてしまいます。そして、再びドパミンの放出をお求めてタバコを吸ってしまいます。これがニコチン依存の仕組みです。
当院では従来のパッチを使用した代替療法と内服によるの2種類の禁煙治療を行っています。当院のオススメは内服による治療です。禁煙治療薬「チャンピックス」はニコチン受容体にニコチンの代わりに結合します。これは結合力が非常に強いため、タバコからニコチンを摂取してもドパミンが抄出され無くなります。そして次第にタバコをおいしいと感じなくなり、依存から離脱できるという機序によるものです。脳にある受容体に作用するものなので副作用もいろいろあります。そのため、禁煙治療のスケジュールに則って、5回の通院が必要になります。
上記4つの項目に当てはまる方は保険診療が可能です。
全5回の外来治療で3割負担の健康保険の場合で約1万3千円から2万円前後になります。
条件を満たさない場合は自由診療となり、全額自己負担で合計4~6万円となります。
費用のばらつきは検査や治療内容により変わります。